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父と暮らせば

「朝日のあたる家」という曲は
そのタイトルから想像するに
ロマンチックなラブソングかと思っていたら
女郎屋とか少年院とか
そんなところがテーマになっている歌だということを
ちあきなおみのCDを聴いて知った。

「父と暮らせば」という映画は
小津安二郎監督の映画みたいなストーリーかと思っていたら
ちょっと違うみたい。

このところ、母親が体調を崩してしまい、家にいないので
父親との二人暮らし状態になっている。

いちおう自分が仕事に行くので
父親が家事、特に料理をしてくれるのだが
父親のやることなすこと、気に障ることが多い。

たとえば
 鍋を洗ったあと、濡れたままの鍋にふたをして片付けようとする
 濡れたふきんを重ねたままおいておく
 まな板をなべ敷き代わりに使う
 買ってきた食材を床に直に置く
 冷蔵保存の食材を冷蔵庫に入れずに出したままにする
などなど

料理も頑張って作ってくれるのだが
ほぼ茶色い料理ばかり(笑)
昭和の頃、食べ盛りの中高生の弁当は
茶色い料理が多かったかもしれないが
令和にはそんな残念な弁当はなく
趣向を凝らしたカラフルな弁当ばかり。
昭和には「キャラ弁」なんて言葉はなかったし(笑)

とにかく煮物ばかり作ってくれるので
ハンバーグとかグラタンとかシチューとか
そういう系統の料理はほとんど出てこない。
自分も既に50代半ばのおっさんなので
子供が喜ぶ料理を食べたいわけでもないけれど
たまにはそういう料理もいいなと思う。

「だったらお前が作ればいいじゃないか」
と言われるだろうが
たしかに以前は父親の家事の負担を減らそうと思い
自分が料理をすることもあった。

しかし、自分が料理を作ると言ってあったのに
自分が食材も買ってきたのに
父親がまったく別の料理にとりかかっていて
ものすごく腹が立ったことがあって
それ以来、料理はすべて父親にまかせることにした。
「男子、厨房に立つべからず」ってことか?(笑)

父親が洗濯をすることもある。
「洗濯物を出しておいてくれれば一緒に洗っておくよ」
と言っても、父親は自分のものは自分で洗おうとする。
しかも洗濯機を使わずに手洗いである。
一度、洗濯機の使いかたを訊かれて教えたことがあったけど
私の教えかたが悪かったのか?

夏ならまだしも、寒い冬に手洗いをし、
それをまた夜中も干したままにして
多少、雨が降ろうが、おかまいなし。
近所の人には、どう思われているだろう、
と気にはなるけど
自分は関わらないことに決めている。
「息子さんがしっかりしないとね」と
近所の人に言われたとしても…

同じ空間にいるとイライラしてストレスを感じるだけなので
父親と一緒になる時間をなるべく短くなるようにしている。
同じDNAを持っている親子なのに
こんなにコミュニケーションを取るのが難しいのかと思ったりする。

この状況、
自分の結婚生活が破たんしたときに似ている。
あのときも一緒になる時間をなるべく短くなるようにしていた。
コミュニケーションを取るのもこちらから拒んでいた。
婚姻関係は解消できるけど
親子関係は解消できない(と思う)。

父親はもう後期高齢者なんだから
息子である自分に頼ってくれればいいのに
と思うこともあるけど
仕事をしている息子にできるだけ負担をかけないように、と
父親は父親なりに考えているようだし
たしかにそれで助けられている面もある。

何もすることがなくなったら
父親は張り合いがなくなってボケてしまうかもしれないから
何かやってもらったほうがいいよ、とある人に言われて
たしかにそうだ、と考えを改めた。

老後は悠々自適な暮らしができるのが幸せ、と思っていて
そう考えると父親は幸せなのだろうか?と思うけど
今の自分にできることは何もない。
孫の顔を見せることもできなかったし
自分の結婚生活が破たんしたときにも迷惑をかけた…

自分が仕事を辞めて家事を一手に引き受けることもできるけど
果たしてそれが父親にとってよいのかどうかもわからない。

父親の残りの人生、幸せに過ごしてほしいけど
父親も不幸、自分も不幸
WIN-WINではなく、LOSE-LOSEなこの状況、
まさに「令和枯れすすき」(笑)

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