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不謹慎ながら

先日、近所の年配の男性が亡くなられた。

自分の父親とほぼ同い年のかたで
自宅で生活されていたのだが
体調を崩して入院され
いったんは退院されたものの
数日後に再び体調を崩されて
そのまま逝ってしまわれたとのこと。
一回めの入院から亡くなるまで一週間ほどで
あっと言う間だった。

その男性の奥様も半年ほど前に
こちらもある日突然体調を崩されて
そのまま亡くなられた。

きっと天国の奥様がご主人を呼び寄せたに違いない。
天国で奥様おひとりでは寂しかったのか
あるいは残されたご主人が心配だったのか。

自分はこの男性の葬儀の受付の手伝いをすることになり
最後にいつ着たか思い出せない黒の礼服を
虫食いなどないだろうかと心配しながら出して着た。
礼服は大丈夫だったけど
黒のネクタイを丸めて輪ゴムをかけてしまっておいたのだが
輪ゴムがネクタイに固着して取り除くのが大変だった。

告別式の最後に喪主の挨拶があり
喪主は義理の息子のかたが務められたのだが
「父は家族みんなで取る食事をとても楽しみにしていた。
 いったん退院したあと、みんなで食事を取ることができてよかった。
 本当はもっとみんなで食事を取りたかった。」
と言われるのを聞いていたら
不覚にも泣いてしまいそうになった。

いつまでも家族みんなで食事ができたら幸せなのだろうけれど
亡くなられたご夫婦のどちらも急に逝かれてしまって
残されたご家族はさぞ驚き嘆き悲しまれただろうけれど
告別式が終わって自分がふと思ったのは
きっとこのご夫婦は
体調を崩して長く寝ついてしまってたら家族に迷惑をかけるから
と気を遣われて急に逝かれたでのはないかということだった。

もちろんいつ逝くかは本人が決めることはできなくて
思うようにはならないけれど
きっとそんなふうに考えるのが
残されたご家族にはいくらか慰めになるのではないかと思った。

自分の母親も体調を崩して
ここ数年、介護施設でお世話になっている。
母親は思うように歩けず
意思も明確には伝えられず
簡単な問いかけには応えてくれるけれど
自分は母親に何をしてあげたらよいのかわからない。

母親がどう感じているのかわからないけれど
自分が面会に行くと「ごめんなさい」ということがある。
家族に迷惑をかけて心苦しいと思っているのか。
でも何より自分が思うように歩けないことが
意思も明確に伝えられないことが
母親にとって辛くて悲しいことだと思う。

平凡な人生をつつましく生きてきただけなのに
何か悪いことをしたわけでもないのに
なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのかと
母親は思っているかもしれない。
少なくとも自分はそう思う。

大して価値のない仕事をしているくらいなら
自分はいっそ仕事を辞めて
母親の介護に専念したほうがよいのではと考えることもあるけど
実際に母親を家に引き取って
24時間365日、介護ができるかと冷静に考えてみると
今の自分ではとても無理だと思う。

介護をするのも介護されるのも大変。
急に逝くのも逝かれるのも大変。
本人にも家族にもどうすることもできない。
それぞれの寿命を受け入れるしかない。

自分が最期を迎えるときはどうなるだろうと思う。
穏やかに逝けたらよいのだが
「フランダースの犬」のネロの最期のように
天使が舞い降りてきて天国へを連れ立ってくれたらよいのだが
はたしてどうなることやら
今はまったくわからない。

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