ありがた迷惑

「ありがためいわく」って
「有難迷惑」って書いていいのだろうか？（笑）

とある平日の朝、
いつものように慌ただしい朝、
家の固定電話が鳴った。

「こんな朝早くに誰だろう？
　もしかして良くない知らせとか…」
と思い電話に出てみると
親戚のおじさんからだった。

自分に話があって何度か電話したようなのだが
なかなかつながらないので朝早くに電話したみたい。

で、用件を聞いてみると…

そのおじさんがよく行くショッピングモールの
案内所の女性とときどき話をするようになったそうなのだけど
とても感じのよい妙齢の女性なので
一度会ってみてはどうか？とのこと。

はぁ？
マジ勘弁して！
こんな朝の忙しい時間に…

と心の中ではつぶやいたけれど
無碍に電話を切るわけにもいかず
「もう自分は結婚する気はないですから…」とか
「相手のかたの好みもあるでしょうから…」とか
時計を気にしてイライラしながら
やんわりと対応したのであった。

自分が良いと思うなら他の人も良いと思うに決まっている
とそのおじさんは思い込んでいるフシがあって
「アンタがいいと思っても自分がいいと思うとは限らないんだよ！」
と言いたかったのを我慢（笑）

自分が良いと思うものを他の人にもお勧めしたい
というのはわからなくもないし
自分の好みに誰かが共感してくれるのはうれしいけど
犬や猫の子じゃあるまいし
お付き合いする相手や結婚相手は
そういうことではない。

縁談をせっせと持ってくる昭和のおばさんみたく
このおじさんも
五十路を過ぎて独り身の自分を心配して
電話してくれたのだから
ありがたいことはありがたいのだけれど
この期に及んでお付き合いとか結婚とか
自分の中ではありえない！

それに
こんな時間に電話したら／訪問したら
相手に迷惑じゃないだろうか？という
配慮がないことにもイラッとしたわけで…

と言いつつ
いずれ自分もこのおじさんみたくなってしまうのかな…（笑）

心配してもらえるうちが花なのかもしれないが
もう自分はすっかり枯れているので
あるいは
ドライフラワーというか
プリザーブドフラワーというか（美化しすぎ…）
今さら花を咲かすのは無視なので
そっとしておいてほしい。

Till I hear you say you love me,
don't disturb.