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一隻の舟

もう3ヶ月近く前の昨年12月
「中島みゆき 夜会の軌跡 1989~2002 -劇場版-」
を映画館で観てきた

中島みゆきの「夜会」の存在はなんとなく知っていて
でもそれほど観てみたいとも思っていなかったけれど
古市憲寿がネットの記事で絶賛していたので
金曜の夜、21時55分からの上映を観に行った
田舎の映画館だからか料金が通常より高いせいか観客は自分一人(笑)
映画館のど真ん中にポツンと座ってみた

自分の感想としては
「夜会」の中島みゆきの世界観は
自分にはいまひとつなじめないというか
自分とは親和性がないというか
自分の中にすんなりと入り込んでくるものではなかった

でも中島みゆきが歌う「二隻の舟」を聴けたのはよかった
むしろこれだけを聴くために映画館まで行ったと言っても過言ではない

最初の渡辺真知子が歌う「二隻の舟」をラジオで聴いて
心を揺さぶられたというか
ずっしりと心に響いたというか
うまく言えないけど衝撃を受けた

その後、YouTubeで繰り返し聴いて
自分も歌えるようになりたいと思ったけど
何度歌ってもなかなか覚えられないし
自分にはとにかく難しい

でもその歌のメッセージが次第に沁みてくるようになった
渡辺真知子の歌唱もさすがだと思うけど
YouTubeでは中島みゆき本人の歌唱が聴けなかったので
この劇場版で聴けたのはよかった

本人が歌うとなじんでいるというか
まるで語りかけているように難なく歌っている
歌うというよりまさに語っているように感じた
自分にとってはあんなに難しい歌なのに

この「二隻の舟」の歌詞が自分に沁みるのは
母と自分を二隻の舟に置き換えて解釈していたからだと思う

♪敢えなくわたしが波に砕ける日には
 どこかでおまえの舟がかすかにきしむだろう
 それだけのことでわたしは海をゆけるよ
 たとえ舫い綱は切れて嵐に飲まれても♪

残念ながらもう自分は二隻ではなく一隻となって
かすかなきしみも感じられなかったけれど
見えなくても聞こえなくても感じられなくても
一隻で海をゆけたらよいのである

水平線に夕陽が沈んでも
月や星が照らしてくれるし朝日はまた昇る
嵐もくるけど凪もある
潮風が推してくれることもある

それでもいつかは自分も嵐に飲まれてしまうけれど
誰かの舟がかすかにきしむかもしれない
そんな誰かがいてくれたらとかすかに願うのである
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